紅茶って何だか分からない人、コーヒーと区別がつかない人、
ハーブティーと区別がつかない人へ。
紅茶とはそもそも何なのか?
紅「茶」だからお茶っ葉かな? その通りです。
カメリア・シネンシスというツバキ科の木の「葉」を加工したものです。
実は日本茶もウーロン茶も、作り方が違うだけで同じ木の葉なのです。
熱帯から亜熱帯地域が栽培に適しているので、熱帯植物のコーヒーと違って日本でも栽培できます。
日本のお茶所では紅茶を作っているもあります。
熱帯地方ではコーヒーと紅茶の両方を栽培している国もあります。 紅茶生産高1位のインドもそうです。
しかしインドでの紅茶栽培はわりと歴史が新しく、18世紀からです。
それ以前は中国だけでしか栽培されませんでした。
「茶」の起源は中国です。お茶の製造や「喫茶」の習慣など、お茶に関する全ては中国から始まりました。
紅茶がヨーロッパに伝わったのは17世紀、それも、最初は紅茶ではなく緑茶だったそうです。
ヨーロッパの嗜好が紅茶に移り、自国での生産が無理なため(寒いもんね)インドやスリランカなどの植民地で栽培が始まるまでは、
中国が市場を独占していました。
その中国にしても、紅茶の生産量は僅かなもので、ほとんどがウーロン茶 ・・ではなく、「緑茶」なのです。
日本の緑茶とは少し違いますが。
ウーロン茶も紅茶も、数ある中国茶の中の一つの種類に過ぎません。
さて、カメリア・シネンシスにも品種があります。
「茶」として使われるのは「中国種」「アッサム種」とその交配種のみです。
他の植物の葉っぱを紅茶と呼ぶことはなく、例えばハーブティーは 「ティー」がついていても紅茶ではないのです。
茶 … 紅茶、日本茶、ウーロン茶など
その他 … ハーブティー、杜仲茶、麦茶、薬草茶など
ハーブティーとの違い
前述の通り、紅茶はお茶の木の葉を使ったもの、
ハーブはさまざまな植物のさまざまな部位(葉だけでなく花びらとか根とか)を使ったものです。
それでもなお腑に落ちないのは、ミントティーとかローズティーのように、
どっちだか分からないものがあるからでしょう。
ペパーミントの葉だけを抽出して飲むのはハーブティー、
紅茶にミントの香りをつけたものはフレーバーティーの紅茶です。どちらもミントティーと呼んでいます。
紅茶葉に香りをつけるのは広く行われています。
ここではハーブだけを使ったものをハーブティー、
お茶の葉にハーブを混ぜたものをフレーバーティーと呼んでおきましょう。
紅茶と日本茶とウーロン茶の違い
お茶の葉の抽出液を飲むのは中国が起源です。中国茶は種類が多いのですが、製造法の違いから大雑把に
白茶、黄茶、緑茶、青茶、紅茶、黒茶
に分けられます。
この色名は淹れたときのお湯の色からついたそうです。紅茶は赤っぽい色ということになりますね。(青は・・?)
日本茶は葉を発酵させない緑茶、紅茶は葉を完全に発酵させたもので、どちらも中国茶の一種です。 紅茶はヨーロッパで、緑茶は日本で独自の発展を遂げた中国茶であるといえます。
ちなみにウーロン茶は発酵を途中で止めた半発酵茶、青茶の一種です。
発酵については製造法のところをお読みください。
コーヒーとの違い
コーヒーは「コーヒーの木」の実(種子)を煎ったものですからまるっきり別物なのですが、
なんとなく混同している人もいます。
成分が似ているのと(カフェイン、タンニンなど)、色が似ているからでしょうか。
実際、濃い目の紅茶と薄目のコーヒーはそっくりです。
アメリカン・コーヒーの薄さは、紅茶をボイコットして独立した植民地時代のアメリカ人の、
紅茶への郷愁なのかもしれません。
|