紅茶のできるまで




 紅茶の製造法

リンゴの皮をむいてそのまま置いておくと、黒ずんできます。 これは空気に触れて酸化したためで、酸化発酵という現象です。 紅茶はこの発酵を利用して作ります。
(酸化発酵は微生物を使った発酵とは別のものですが、プーアール茶は微生物を使って発酵させます。 中国茶は奥が深い・・)

1 萎凋  いちょう。生葉をしおらせ、次の揉捻という工程に備えます。
2 揉捻  じゅうねん。よじりながら揉みます。茶の成分を引き出し発酵を促進する重要な作業です。
3 発酵 葉の酸化酵素による発酵です。発酵しなかったり途中で止めたりするお茶もありますが、 紅茶は完全に発酵させます。
4 乾燥 発酵を止め、水分を飛ばして仕上げます。

 紅茶のグレード

紅茶の値段は味で決まるようなものですが、一応等級はついています。
等級というよりは分類記号です。これはあくまでも葉の形状を表すもので、味の評価ではありません。

OP オレンジ・ペコの略。オレンジは淹れた時の紅茶の色、 ペコはうぶ毛のある芯芽、白毫(パイホウ)のなまった読み方で、元はいい紅茶を表したものかもしれませんが、 今は単に7〜10ミリの大きい葉のことを指します。 「芯芽」の項もご覧下さい。
BOP ブロークン・オレンジ・ぺコで、OPを細かくしたものです。 抽出時間が短いので、現在はこれが主流です。
BOPF ブロークン・オレンジ・ぺコのあとにファニングスと続きます。 BOPをさらに細かくしたものです。ティーバッグなどに使われます。
ダスト。 といってもゴミのことではありません。 一番細かいサイズで、振るいにかけた一番下のやつのことです。主に国内消費に回されます。
Tippy(ティッピー)。OPの項に出てきた「芯芽」をティップといいます。 これがたくさん入っているものにこの記号をつけるようです。
CTC 「Crush・Tear・Curl」の略で、「つぶして・裂いて・丸めて」作ります。 紅茶の製法としては新しいもので、金魚のエサのような小さくコロコロした形です。 紅茶の「趣」というものが感じられませんが、早く抽出できます。 最近は早く抽出できるのが人気なのですね。 抽出時間なんて大きい葉と比べて3〜4分しか違わないのに、みんな忙しいんですかね? 本場イギリスでもティーバッグが大半だとか。

 「芯芽」って?

「一芯ニ葉(いっしんによう)」 紅茶の葉を摘むときは、一番上の芯芽という所と、その下の葉二枚をとります。これが一芯ニ葉です。 他の中国茶などは一芯一葉だったり、一芯三葉だったりします。

芯芽はティップとかぺコとか呼ばれて珍重されます。 これが多いと紅茶のうまみが増すのですが、「芯芽だけ」で作ったお茶には紅茶の風味はありません。 「*の素」のようなものですね。

オレンジ・ぺコというのは商品名にもなっていますが、中身はブレンドのようです。 大きい葉のことなのにティーバッグになっているのは矛盾ですが、おいしい紅茶の意味に使われているようです。


ショップ入口に戻る 紅茶のページに戻る 前に戻る 次は「紅茶の淹れ方」