品種と等級



 品種

コーヒー豆は赤道を中心に南北回帰線までの、 いわゆるコーヒー・ベルトと呼ばれる地域で生産されます。
熱帯の気候で霜が降りず、昼夜の温度差の大きい山の斜面が適しています。 また、土質は水はけのよい火山灰地が向いています。
コーヒー豆を生産する国は約60カ国あります。 生産量1位はブラジル、 次いでコロンビアで、この2カ国で生産量の約半分を占めます。

「コーヒーの木」の中で飲用に向いているのは「アラビカ種」と「カネフォーラ種(ロブスタ種)」です。 味がよいのはアラビカ種の方で、普通飲んでいるコーヒーはほとんどこれです。
アラビカ種はさらにブルボン種、カツーラ種や配合種などに分かれます。 コーヒーの木は霜や病気に弱いので、品種改良を行って生産性の安定を図っています。 反面、昔ながらのよい味が失われているといわれています。
ロブスタ種は味は落ちますが、病気に強く安価で、苦味が強く出るので、 缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料に使われます。

コーヒーの種を植えると4〜5年で白いかわいい花が咲きます。 それから「コーヒーチェリー」と呼ばれる、本当にさくらんぼのような赤い実になり、これを収穫します。 実の表皮の中には果肉があり、その中に種子が2粒入っています。 これが「コーヒー豆」で、生豆(なままめ)、グリーンと呼ばれます。 色は白っぽい緑色、確かに「グリーン」です。
種子はシルバースキンと呼ばれる薄皮に包まれ、その外側はパーチメントと呼ばれる堅い殻で覆われています。

 精製

  実から種子を取り出す工程を「精製」といいます。これには2種類あります。
水洗式 赤い実を水槽に入れ、沈んだものを果肉除去機にかけ、さらに水で洗い、乾燥させます。
これはウォッュトコーヒーと呼ばれ、良質のコーヒーとされます。
乾燥式 黒く完熟した実を乾燥場に広げ、天日乾燥させます(最近は機械乾燥もあり)。
それを脱穀機のようなものにかけ、豆を取り出します。
こちらは水を使わないので アンウォッシュトコーヒーといいます


 等級分け

  各国で生産された豆は等級分けされ、パーチメントを取り除いた生豆の状態で輸出されます。
  等級分けは各国で方法が違っています。

大きさ 単純に、大きい豆を上級とする方法です。
標高 昼夜の温度差が大きいほどよい実ができる、ということで、山の高い所の豆が上級品になります。
欠点豆 豆の中には当然異物や不良豆が混じっています。これらの数が少ないほどよい豆ということです。
その他 前述の精製法や、生産地域、それらを組み合わせている国もあります。
「見た目」で選んでいるような気もしますが
コーヒーの国際相場はブラジルのNo2という豆が基準になり、 この出来具合で価格が変動します。
この豆がもし不作だったらコーヒー豆全部の価格が上がりますから、ブラジルの天候は関係者には心配の種です。

コーヒーは豆各国に輸出されますが、忘れてはいけないのは生産国はまた、消費国でもあるということです。
外貨獲得の手段であるため、 良品は輸出に回しますが、残りは自国で消費されます。
コーヒーは非常に多くの国で飲まれているのです。


  
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