焙煎



 焙煎とは何か?

コーヒーの実から取り出し、精製したものを生豆(なままめ)または グリーンといいます。
これは無味無臭で、硬くて噛むこともできません。
色も、グリーンの名の通り緑がかった白で、 おなじみのコーヒーらしい茶色ではありません。 ではどうすればいいかというと「焙煎(ロースト)」、つまり豆を煎る必要があります。
焙煎することによってコーヒーのあの味、香りが出てくるのです。

これでもうお分かりだと思いますが、コーヒーの茶色は「コゲ」の色なのです。
コゲですから当然苦味があります。コーヒーの苦味は「コゲ」の味なのです。
焦がし具合によってコゲ色と苦味が変わります。 これで焙煎の仕組みの70%くらいは理解できたようなものです。
コゲ具合は、大体次の8段階に分けられます。


焙煎度合いと特徴
ライトロースト 一番浅煎りで生焼けに近い。色も薄く、「豆臭い」感じです。
シナモンロースト いわゆる「アメリカン」です。シナモン色で酸味が強く出ます。
ミディアムロースト 日本で一般的なのはこれと次のハイローストです。 苦味が出始め、酸味も程よく出てバランスのとれた味になります。
ハイロースト 酸味が減り始め、苦味が強くなってきます。
シティロースト このへんから苦味の質が変わり、炭化した苦味になります。香りも変わります。 「シティ」はニューヨークシティのことです。
フルシティロースト 苦味が強く、酸味はほとんどありません。
フレンチロースト かなり強い苦味です。カフェオレやアイスコーヒーなどはこの位です。
イタリアンロースト 最も深煎りです。エスプレッソはここです。これ以上焼くと豆が燃えてしまいます。


 焙煎豆のゆくえ

焙煎後、豆はどうなるか

生豆のままなら、多少水分は減りますが何年も保存できます。
しかし焙煎すると成分が変化し、炭酸ガスを放出し始め、徐々に味と香りが劣化していきます。

炭酸ガスは一ヶ月位で出なくなります。
この炭酸ガスは香りの元でもあるので、一ヶ月経つと香りも弱くなります。 粉にすると炭酸ガスが大放出されるので、一週間位しか持ちません。
コーヒーは味と香りを楽しむものなので、香りがなくなる頃が賞味期限となります。

品質の劣化は酸化として現れ、いわゆる「すっぱい」味になり(※)、 香りも「すえたような」香りになります。 こうなったら飲めません。
   (※ コーヒーがもともと持っている「酸味」とは別物です。)

では焙煎直後の豆が一番おいしいのかというと、そういうわけでもないのです。
焙煎直後は焙煎中に出た煙をかぶっているし、味もバラバラで落ち着きません。豆臭さも感じられます。 飲み頃になるのは3日〜1週間後です。



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